アイシーベルリン(ic! berlin)の創業者ラルフ・アンダール氏にブランドとモノづくりの未来について聞きました

晴天の下、アイシーベルリンオフィスのベランダで取材。

ドイツ・ベルリン発のアイウェアブランド「アイシーベルリン(ic! berlin)」。日本にも熱烈なファンを持つこのブランドの創業者、ラルフ・アンダール氏が来日した際に、OMG Press で取材をさせていただきました。

なんと最近、自らが歌っている曲を発売したというラルフさんに、まずはmido 2014のことから聞いていくと、「終わったコレクションのことはもうそんなに覚えてないんだけどね(笑)」と笑いながら話してくれました。

目次

新技術によりカラーバリエーションが増加

OMG:mido 2014で発表した新作についてお話を聞かせてください。

ラルフ:今回、ic! berlinはカラーが増えました。元々PVDコーティングという摩耗などに非常に高い耐久性を持つ技術を用いていましたが、この技術がさらに進歩し、鮮やかな色のシートメタルフレームを生み出すことができました。

3Dプリンターを活用した「plotic!」シリーズ

ラルフ:mido 2014では3Dプリンターを活用した「plotic!」シリーズも発表しました。フロント部分を作るのに3Dプリントを使っているんです。ファーストモデルは数量限定で、新しいフローズンミラーカラーのレンズを起用しています。

OMG:3Dプリンターを使っているんですね!

3Dプリンターは通常の紙に平面的に印刷するプリンターに対して、3DCAD、3DCGデータを元に立体(3次元のオブジェクト)を造形するデバイスのことを指します。使っている素材はポリアミドというもので、軽くて丈夫、そして柔軟性を持ったメガネになっています。

その他にも数々のコレクションが登場

さらに、この他にもいくつかのコレクションが登場しています。

ベルリンの駅名シリーズ「U-bahn Collection」

その1つが地下鉄の名前をメガネの名前に使ったコレクションです。

「S25 tegel」「S42 wedding」「U1 kotti」「S3 rummelsburg」」「U5 alex」「U6 Stadtmitte」など、ハイブリッドコレクションが今年の目玉だそう。

これは「S42 wedding」のメガネ

ブランド名にも入っているベルリンという街への愛着がよく現れているコレクションで、とても素敵ですね!ちなみに、アイシーベルリン(ic! berlin)では2014年にベルリンの超おすすめスポットへと案内するツアーもやっているそうですよ。

スイス峠シリーズ「susten」「albula」「schwaegalp」

駅名以外にも、スイスの峠の名前を冠したコレクションも登場。「susten」「albula」「schwaegalp」という3つの峠の名前がついたメガネが登場しています。

sustenのメガネフレーム。

このコレクションは、アイシーベルリン(ic! berlin)設立当時からデザインに深く関わってきたというスイスのデザイナーにより生み出されたそうです。

ブランドの始まりから存在していた縁が、こうやって形になるというのも素敵なエピソードですよね。

OMG:アイシーベルリン(ic! berlin)はヨーロッパ以外でも大活躍しているんですよね。今回はアジア向けのコレクションも発表されたと伺いました。

ラルフ:マレーシアのデザイナーとコラボしたアジア向けのコレクションも発表しましたアジア向けだからといって、他の地域で売れないわけではありません。たとえば、「mao h.」というフレームは世界的に良い売上げをあげています。アジアの人々にフィットするようにデザインされたアイウェアは、アメリカでもヨーロッパでも売れるのです。

「mao h」のメガネフレーム。

「made in japan」はいまだにブランドになる?

ラルフさんにOMG Pressはいくつかの質問をさせてもらいました。まずひとつが、メイドインジャパンについてどう考えているのかについて。

ラルフ:日本はハンドクラフトの国として知られています。長い伝統を持ち、質の高いプロダクトを生み出しています。これは世界でもユニークなこと。日本のユーザは質が高いことの良さがわかる人たちです。そして、そのために私たちは日本で成功することができていると考えています。この特性はマスプロダクション、大量生産とは別のものです。日本のプロダクトは質にこだわる。これは世界でも高い価値を持つと思います。

ただハンドクラフトであることだけではなく、土地性についてもラルフさんは語ります。

ラルフ:神戸牛はブランドとして認知され、高い値がついています。その土地で生み出されることの大切さがあります。その土地の文脈を活かして作ることで、そこにストーリーが生まれます。現地生産であること、質の高いプロダクトであること、ストーリーがあること。これらがは、大量生産が次第に衰退に向かっていく中で、ますます重要になものとなっていきます。

OMG:なるほど。

ラルフ:「Less is more!」ってことだね。

と、ラルフさんは”より少ないことは、より豊かなこと”という意味の、ドイツの建築家、Mies van der Roheの言葉を引用していました。ドイツ・ベルリンの状況と、日本・鯖江の状況は職人がいて、ハンドクラフトを行っている点でも似ているところがありますね。

アイシーベルリン(ic! berlin)のユーザ像

OMG:クールなアイウェアが多いアイシーベルリン(ic! berlin)。そのユーザ像はどういったものになっているのでしょうか?

ラルフ:エンジニアなど技術を持った男性が多いですが、女性にも力を入れていきたいと考えています。靴に例えるなら、ハイヒールのようにシックでスタイリッシュ、ビルケンシュトックのように履き心地の良い、そんなアイウェアだと感じてもらいたいと思います。

OMG:アイシーベルリン(ic! berlin)の文化を大切にする姿勢や街や人を大切にする様子はブランディングの仕方からも伝わってきます。

ラルフ:アイシーベルリン(ic! berlin)は、カンパニーカルチャーです。会社の文化を作ることを意識している。良い文化を持った会社にし、顧客にもそのファミリーの一員になってもらいと思っています。カンパニーツアーを行い、ベルリンを訪れた旅人をアイシーベルリン(ic! berlin)のオフィスに招いています。その際にオフィスで私たちのブランドに触れてもらうことがブランディングになる。これはマーケティングの上でも重要なことです。

OMG:ラルフさんから日本のユーザに向けてメッセージはありますか?

ラルフ:1つは「Come to berlin.」、2つめは「Less is more.」、この2つのことを知ってもらえたら、アイシーベルリン(ic! berlin)のことをわかってもらえると思います。

mido 2014のこと、アイシーベルリン(ic! berlin)というブランドのこと、そしてこれからのモノづくりのこと。色々答えてくださったラルフさん。彼が生み出したアイウェアブランド「アイシーベルリン(ic! berlin)」はこちらからチェックできます。

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