クラシカルとモダンの融合させたイギリスの有名ブランド「Paul Smith(ポール・スミス)」、その創業者の歴史とは?

(PHOTO:Paul Smith公式サイト)

Paul Smith(ポール・スミス)といえば、服飾を中心にバッグ、時計、そしてアイウェアラインも展開している日本でもお馴染みのブランド。

Paul Smith(ポール・スミス)のアイウェアブランド、Paul Smith Spectacles(ポールスミス・スペクタクルズ)はOLIVER PEOPLES(オリバーピープルズ)とのコラボレーションで実現され、クラシカルな中にモダンなデザインという絶妙なバランスのデザインは、多くのファンを魅了しています。

その創業者であるPaul Smith(ポール・スミス)は果たしてどんな人物だったのでしょうか?今回は彼の歴史に迫ってみたいと思います!

 

目次

不幸な事故と、新たなる道

小さい頃から独立心の強かったポールは、自転車競技で身を立てるべく15歳の時、学校を自主退学。レーサーを目指して練習に励み始めました。しかし不幸にも事故に遭い、レーサーへの道は断念せざるを得なくなります。

なすすべもなく、退院後は酒場に入り浸りの毎日を送るポールでしたが、同じ酒場に出入りするアートスクールの生徒と仲良くなり、彼らのオーガナイザーとして仲介役をすることになります。そのうち彼自身もアートの魅力に憑りつかれていき、本格的にこれを自分の仕事にしたいと決意。

この時、ポールは17歳でした。

新しい道で懸命に仕事をしながら3年が過ぎたある日、ポールはテキスタイルの教師をしているポーリーン・デニアと出会います。

(Photo: Some rights reserved by mugley)

ふたりは惹かれあい、やがて一緒に暮らすようになりますが、彼女は何と既に子供と2匹の犬という同居人達がいたのでした。20歳にして新しい一家の大黒柱となったポールは、それまで以上にあらゆる仕事をこなすようになります。

 

ショップの開店と拡大、初のコレクション

この頃メインの仕事だったノッティンガムの仕立て屋のご主人に、ポールは自分の店を持ちたいのだと訴え続けます。彼のあまりの熱心さに負けたご主人は、店のバックルーム(店舗の裏側にある、商品の保管所)を自由に使っていいと言ってくれたのでした。

すぐさまショップ作りに取り掛かったポールは、月曜から木曜までは従来通りあらゆる仕事をこなし、金曜土曜でショップで商品を売ることになりますが、この頃オリジナルの商品は、ポーリーンが縫ってくれた数本のネクタイくらいで、あとはポールが探し回って仕入れてきた商品だけでした。

当時のノッティンガムは、メンズのファッションショップと呼べる店は一軒もなく、ポールは自分の店を是非とも特別な店にしたいと考えたのでした。そして彼は「自分のやりたいことをやる」という信条は決して崩しませんでした。

1970年、ポールは24歳でポール・スミス・リミテッドを設立。やがて彼の仕事ぶりは、ロンドンのファッション業界で噂されるほどになります。

1974年、噂を聞きつけた「ブラウンズ社」に専任のコーディネーター兼デザイナーとして採用され、ショップ経営の傍ら3年間「ブラウンズ社」の買い付けと商品デザインを担当。ポールの名声とともにノッティンガムのポールの店も客の数が増えていき、この頃には月曜日から金曜日までフル営業するほどになっていました。そこでもう少し大きいスペースへ店を移転し、自分だけのオリジナルブランドを作ろうと決意したのでした。

1976年、ポール・スミス初のコレクション開催。モデルは友人を集め、会場用の椅子はポールが近所をかけ回って揃え、フィッターはポーリーンと友人がやり、 自分の家から持ってきたステレオで音楽を流すという、何から何まで手作りの仕込みでしたが、ショーは大成功を収めます。

(PHOTO:Paul Smith Blog)

1978年には、パリのホテルの一室でコレクションを一週間開催。「この時が、本当の意味での「Paul Smith(ポール・スミス)」コレクションの誕生だったと思っている」とのちに彼自身は語っています。

 

念願のロンドンショップのオープン

1979年、念願のロンドン市内にショップをオープンするチャンスが来たものの、彼は未だに資金力不足でした。ショップのオープンにかかる費用は、銀行や知人からお金を借りてもまだ足りない金額でした。

そこで彼はオーナーに自分の資金のなさをありのまま話し、どうしても購入したいのだと訴えたところ、その熱意に負けたオーナーは、売り値を下げた上に、不足分を貸してやろうとまで言ってくれたのでした。

こうして誕生したのが、Paul Smith(ポール・スミス)・コベントガーデンショップ・ロンドン1号店。

その後もロンドンのみならず、世界のファッション市場でショップの評価は高まり、1982年、ロンドンに2号店をオープン、1983年、ロンドンに3号店をオープン、1984年には日本の東京青山に、1987年にはニューヨークにと次々とショップが誕生していきました。

1989年には英国の名門デパート『ハロッズ』に単独のコーナーショップがオープン。これはハロッズの歴史上、かつてない展開だと言われています。まだまだ語ることが多くあるほどに、Paul Smith(ポール・スミス)は多くの業績を残してきています。

「独創的なクラシック」をコンセプトとし、クラシカルな中にもトレンド感を融合させ、アイウェアでも独自の世界を作りだしているブランド、Paul Smith(ポール・スミス)。ちょっとだけ創業者が重ねてきた歴史に思いを馳せながら、Paul Smith(ポール・スミス)のメガネを選んでみるのも楽しいかもしれません。

 

Paul Smith(ポール・スミス)のラインナップを見る

 

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