知的メガネを掛けて哲学を語ろう!#1【古代ギリシャ哲学】

こんにちは。

今回から、哲学に関する記事を書いてみたいと思います。

知的なイメージのメガネを掛けて、哲学を語れればカッコいいですよね!

目次

哲学とは?

そもそも、哲学とは何なのでしょうか。
語源で見ると、西周(にしあまね)という明治時代の思想家がphilosophyという単語を「希哲学」と訳したところから始まります。
その後、語感の良さから「希」がぬけ、「哲学」と呼ばれるようになりました。

このphilosophyという言葉、もともとはギリシャ語のフィロソフィアから来ています。
フィロとは「愛する」(西周の翻訳語では「希」)、ソフィアとは「知識」(哲)の意味です。
哲学(philosophy)とは従って知を愛するということ(愛智)に他ならないのです。

ギリシャ彫刻

それではこの知とは一体どのようなものなのでしょうか。
そのことは追々わかっていけると思うのですが、そのためには過去の哲学者の思想にふれてみることが一番の近道です。

哲学する」とは必ずしも「哲学者の研究をすること」ではありませんが、「哲学者の研究をすること」は確かに「哲学をすること」だと言えるからです。

古代ギリシャ神話

哲学の話をする前に、古代ギリシャの世界の在り方をみてみたいと思います。
古代ギリシャ人は「世界の成り立ち」についてどのような考えを持っていたのでしょうか?

古代ギリシャ神話をひも解いてみるとその一端がうかがえます。

現代の私たちが今なお、読むに値する本にホメーロスが書いた『イリアス』、『オデュッセイア』という神話があります。

『オデュッセイア』の中では主人公、オデュッセウスはポセイドンの怒りをかい、生まれ故郷に帰れずにいました。
このオデュッセウスがそれでもなお様々な困難にあいながらもなんとか自分の生まれた場所に戻っていくという物語です。

ホメロス

ホメロス

ホメーロスは紀元前8世紀の吟遊詩人だと言われており、紀元前15世紀ごろから口頭で継承されているギリシャの神々を文書の形で私たちの時代にまで残してくれました。

世界にはあらゆる神々がいて、ゼウスやポセイドンといった人間のように言葉をあやつり感情をもっている神々がこの世界を作り、この世界を支配しているのです。
こうした神話的な世界観を古代ギリシャは持っていたのです。

古代ギリシャ哲学者達

哲学の発祥地は、古代ギリシャにあります。
そして哲学史を学ぶ時、まずはじめに哲学者として現れるのはタレス(B.C624~B.C546)というギリシャ人です。

ミレトス

タレスの生まれた植民都市ミレトスの跡地

タレスは世界の始原(ギリシャ語でこれを「アルケー」と言います)とは何なのだろうかという問いを打ち立てました。
すなわち世界全ての原理は一体何なのかというかつてない問いを発した初めての人です。

そして彼は答えます、世界のアルケーとは水である、と。
水こそが、それによって世界がなりたっているまさにそのものだという考えを彼は打ち出しました。

古代ギリシャ、ミレトスの街でタレスは自然とともに考え続けていたのです。
春にはつぼみが芽吹き、夏には生き生きとした緑が生い茂り、秋になるとかつての勢いがなくなり、冬になるともはやかつての緑は死に絶えている。
植物や移ろいゆく季節、さらには動物や人間の成長と死に目を向けるなら、こうした成長と衰退の反復には水とのかかわりが非常に深いことを彼は見てとったのです。

しかし、万物の根源は「火」であると異を唱える人もいました。ヘラクレイトスという哲学者です。
この世界は、神や人間がつくりあげたのではない。
それは永遠に生きる火として常にあったし、現にあるのだし、またこれからもあり続けるのだ。
火が常に燃え続けながらも消滅していくことで火としてその姿を保っていることから彼はこう考えたのです。

水、火、そして土、空気(これらを四大元素といいます。)世界はこうしたものでできているとギリシャの哲学者は説明しようと試みてきたのです。

神話から論理へ

さて、ここまでくると、何故はじめに神話の話をしてきたか、お分かりではないでしょうか。
哲学は、かつての説明原理であった神話(ミュトス)から論理(ロゴス)へと移行することではじまりました。

哲学の始まりは、まさに世界を「ある何か」によって原理的に説明しようとするところから始まったのです。

万物の根源を水と考えることもまた神話によって世界を説明しようとするあり方と同じなのではないかという考えが生じるかもしれません。

しかし、私たちはこのタレスの問いかけの中に、きわめて人間臭い意志や感情をもっているギリシャの神々の意志によってではなく、原理によってこの世界を説明したい、世界を存在させる「ある何ものか」を問いかけようとする試みをみてとることができるのです。

そしてこの「世界をそれによって存在させるある何ものか」についての議論は20世紀最大のドイツ哲学者、ハイデガーによって再び大きくとりあげられることとなります。

初めの問いへ、哲学とは何か

ここにおいて、私たちは初めに問いかけた哲学の中に含まれている知とは何かという質問に立ち帰ってくることができるのではないでしょうか。
哲学とは何よりも古代ギリシャで生まれ、発展を遂げました。

古代ギリシャ哲学者が、タレスがヘラクレイトスが、フィロソフィア、と名付けているところの知とは何よりも、世界をそれによって説明させようとする原理や物であるということがうかがい知れるのではないでしょうか。

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